映画『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』を観て民主主義と商店街振興を考える
映画『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』ではジャクソンハイツに住む住民たちの日常を撮っている。映画の内容や詳細は検索すればいくらでも出てくるので、ここでは触れない。
日常なんて撮影してもドラマが起きることは少ないわけで、ともすると退屈なものだがそれをとてもテンポよく描くことで見ている者を飽きさせない。
そして、対象を絞ってじっくり撮ることで対象に入り込み易く、課題を理解しやすい。
さて、登場する人たちとグループを見て改めて思うのは、アメリカは民主主義が浸透しているのだ、ということだ。
移民の多くは本国で民主主義を叩き込まれているわけではないだろうから、アメリカに来てから民主主義を身につけるのだろうと想像する。にも関わらず市民活動がこれほど日常に根付いていることに驚く。
他方で、日常の忙しさにかまけて重要なお知らせを廃棄してしまい、重要な事柄を見逃したり、市民活動の担い手が高齢化していそうなことなどが日本と共通な課題であるようにも見えた。
街が人種のるつぼ、というところからはアメリカの建国以来の移民の歴史を感じることが出来る。一つの街が合衆国の縮図であり、アイデンティティのように思われる。
街というのは多くの人が住み、多くの人が行き交うものだ。それぞれを商店と客と置き換えれば、我が横須賀市上町には多くの商店主が住み、現在決して多くはないが客が行き交っている。人種や文化、思想や宗教にはこだわらずに商売をしている。商売は「儲かる」ことが共通の言語だから、「儲かる」のであればこだわりを持たなくても全く問題ないのだ。
だからそこに多様性と社会的包摂が生まれるのではないだろうか。
商店街振興なんて全国的に風前の灯だ。ほとんどの商店街には役員などの担い手に後継者がいない。商店街が無くなることはすなわち地域コミュニティが失われることだ。商店街に取って代わる地域コミュニティが生まれれば幸いだが、そんな事例はごくわずかだ。
映画を見て思いついたことを書き並べてみたが、民主主義への憧憬と商店街への愛情が深まった。
「横須賀、上町へようこそ」
しまだ
お昼の時間も大切ですよ!~昼食会に
アンガージュマン・よこすか設立時より、欠かさず開催されている水曜日の昼食会。
ボランティアの皆さんの愛情と手間により、続けてこられたプログラムです。
何のためにやってるの?などと聞かれることもありましたが、「子どもたちや若者たちの食生活が乱れている」「他者とのコミュニケーションの場」「若者にとって作業を学ぶ場」など、今までいろいろな目的があげられます。シンプルに「みんなで食事したら美味しいよね」と思うんですが…。
そして食べる子どもたちや若者たちのことを思いながら、季節に合わせ、毎週献立を考えて作ってくれます。
だいたい、一品のメインを中心に、付け合わせ、デザートがついて350円。
毎週一生懸命考えてくださっていて、大変ありがたいことです。。。
3月某日はハヤシライスにサラダ、デザートはみたらし団子です。
そして、今までの献立はノートにまとめられて、これだけの蓄積があります!
ちなみに、これらのノートは途中から書き始めたので、およそ数年分のものです。
メニューだけでなく、その時気づいたことなども記されているので、このノウハウで本が書けるかもしれません!!
アンガージュマンボランティアーズの皆さんの愛情は料理からだけでなく、ノートの端々からも感じられますよ。
皆さんからの有形無形の支えがあってこそのアンガージュマン。これらのノートも大きな支えの一つです。
ちなみに、昼食会後は他愛ない茶飲み話で終わるばかりでなく、真剣な相談に発展することも多いのです。
「相談」となると医師やカウンセラーを相手に一時間ほど話さなくてはならず、心理的なハードルが高いこともあります。
自助グループでの相談は毎回自己紹介をしなくてはならなかったり、「つらい」と話す親御さんもいます。
作業をしながら、お茶を飲みながら、日頃のちょっとしたことをこぼしたり、お話しする時間というのは肩の力も抜けていいかもしれません。
アンガージュマン・よこすかでは
を事業として実施していますが、ちょっと相談しづらいな、と感じる方にはぜひ昼食を食べに来ていただきたいと思います。
ちなみに明日20日(水)の献立はチキンライスとポトフ、デザートはアンガージュマン定番の牛乳寒天です。
お待ちしています。
しまだ
お茶の時間は大切です
アンガージュマン・よこすかでは15年前の開設当初より、ティータイムを大切にしています。
イギリスのように頻繁にお茶の時間を設けているわけではありません。
スペインのようにシエスタにしているわけでもありません。
日本のように一服の茶を飲むために気を使っておもてなしをしているほどでもありません。
それのどれでもないけど、どれも当てはまるような感じです。
「学校に行ってないけど、ようやく通う場所が見つかった。頑張らなきゃ!」
「仕事につけずにいたので、一所懸命に研修に取り組むぞ!!」
不登校の子どもたちや社会的ひきこもりといわれる大人たちの多くは優しく、繊細で、真面目です。
ふとしたきっかけで社会との接点を失ってしまった、という状況にあるのです。
ですから、何とか必死に社会との接点を作るべく頑張ろうとします。
私たちも出来るだけ社会との接点を作ることができるよう頑張っています。
人間、24時間100%のパフォーマンスで活動できるわけではありません。
休みなく働いている人でも(スーパーマンではなくて)、どこかで息抜きをしたりメリハリをつけたりしているはずです。
アンガージュマンのある商店街でも休みなく営業しているお店があります。昔は盆暮れ正月のみ休みだった、という話もよく聞きます。
では、そんな大先輩の商店主やおかみさんは常にバリバリ働いているでしょうか?
ちょっと昼過ぎにお客さんが落ち着いた時に油を売ったり、休みの日は大いに遊んだり、と上手に時間を使っています。
多くの人たちは時間を上手く使うことが出来ている、ともいえます。
しばらくお休みをしていたら、時間の使い方も上手にはいかないかもしれません。
いきなりフルパワーで活動を始めたら機械だって上手く動かないのです。
オイルが循環して暖まってから、機械は動くのです。
人間と機械を同じに語るのは少し乱暴かもしれませんね。
アンガージュマンでは休憩を取るためにあえてティータイムを設けている、という考えのもとお茶の時間がある、と説明できます。
でも、お茶を飲むのに理屈などいわず、ゆっくりしてほしいなと思っています。
ちょうど、先日なんとルピシアの紅茶セットを頂いたので、とっておきのティータイムをご提供しました。
お菓子もなんとなんとTENOHA DAIKANYAMAのルビーショコラなどというまさに紅茶にぴったりのケーキをいただきました。
みんな感動!
すっごく素敵な、そしてとっても美味しいお茶の時間になりました。
ご寄附頂いた皆様にも感謝!!
どうもありがとうございます。
また美味しいお土産お待ちしていまーす、なんて(笑)
街の四季〜アンガージュマン・よこすかの看板より
記念すべき初投稿です。どうぞよろしくお願いします。
このブログには私が代表を務めている団体について書き記していこうと思っています。
団体の理念とか設立趣意とかではなく、あえて言語化してこなかったこと、あまり紹介してこなかったこと、でもこだわっていることについてチビチビと紹介していくつもりです。
まず第一回目は、アンガージュマン・よこすかの看板です。
2008年当時お世話になっていた印刷会社さんに頼んで作っていただきました。
アンガージュマン・よこすかが根を下ろしている、横須賀市上町(うわまち)。
私が最も好きな街です。
大好きなこの街の四季を看板にしました。
上町にしっかり根を張って活動していこう、という意図を込めています。
そして街行く人たちが看板を見て上町の四季を楽しんでいただけたら、と思います。
もちろん、アンガージュマンの取り組みも盛り込んであります。
それでは「うわまちストーリー~アンガージュマン・よこすか編」をご紹介しましょう。
アンガージュマンを訪れる人は誰もが不安な気持ちで勇気を振り絞ってドアを開けます。
自宅でひきこもっている状態(座っている人)から、意を決して(腰に手を当てている人)、立ち上がって一歩を踏み出す(歩いている人)様子を象徴的に表現しています。
そしてアンガージュマンへ。実際に手を取って迎えることはありませんが、私たちの心の中はこんな気持ちで一人一人を迎えています。
期せずして横断歩道の道路標識とコラボレーションすることになりましたが、「寄り添いながら」歩いていくことを表現しています。
上町(うわまち)では7月に灯ろうまつりを行っています。アンガージュマンでは焼酎の灯ろうにする段ボールを切って商店街に納めています。
灯ろうまつりは商店主たちも楽しむ手作りのイベントです。最近は夏の夕方も暑くて汗ダラダラですが、納涼感を出してお客様や来街する方たちにも楽しんでいただいています。
秋は収穫の時期。アンガージュマンでは毎月11日前後に山形から野菜を取り寄せて販売しています。
商店街では10月下旬に「秋の大収穫祭」と称して福引のイベントを行います。秋に収穫される恵みを景品にしてお客様に喜んでいただきます。アンガージュマンに来る子たちも大人もボランティアもスタッフも総出でイベントのお手伝いをしています。
冬はクリスマス。年末になるとアンガージュマンに集う子どもたちや大人たち、ボランティア、支援者、関係者、スタッフの日ごろの感謝をねぎらうためのクリスマス会を開きます。
外は雪が降っていても、中は暖かく過ごせます。アンガージュマンに集う人たちが体だけでなく心も暖まるといいな、と思います。
春になると新生活に向けて心躍ります。
十分に準備が出来たら、一歩を踏み出す勇気が湧いてくることでしょう。
外に踏み出す決心が出来たら、もう大丈夫。アンガージュマンで種を蒔いて次のステージの扉へ向かいます。
そして、最初の画像に続きます。
最初の画像からはちょっぴり不安な気持ちがうかがえますが、この画像からはしっかりとした足取りを感じていただけるでしょうか?
アンガージュマンのプログラムは四季に合わせたものではありません。一人一人に合わせたものです。ただ、この看板は象徴的に表現したものです。
ぜひお近くにお越しの際はご覧いただければ幸いです。
ちなみに、この記事の一番上のロゴマークはアーケードの看板灯に貼ってあるのです。